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第1回 IT部門が官僚化してしまい、新しいことが何もできないの巻

この仕事で現場に出るようになってから、何度も「こんな考え方では絶対にIT経営なんて無理」という状況に遭遇します。それも同じような話に何度も出くわします。たぶん日本人という同じマインドセットだと、思考回路も同じだから、はまってしまう所も同じなんだと思います。

私の経験上、IT経営を本気で導入しようと思ったら、絶対にこれまでの思考ロジックを捨てて、ゼロベースで考えないと上手くいかないと思います。

とはいえ、今後も同じような失敗を繰り返す場面を見るのもなんですし、「失敗は成功の母」といいますから、失敗事例集的なものをみんなでシェアできれば、非常に価値のある情報データベースになるのかなと考えました。

そこで、今回から私が出くわした「こんな会社じゃIT経営はムリ」の話を定期的にお伝えしたいと思います。また、読者の皆様からもうちもこんな問題があるという投稿をお待ちしております。投稿頂いた方には、IT経営に関する小冊子を進呈いたしますので、振ってご応募ください。

第1回目ですが、一昨日実際に私が携わる案件で起きた「大企業のIT部門にありがちの硬直化」についてお伝えしたいと思います。

この会社は、東証一部上場の某メーカーさんで、そこのロジスティック部門に所属する方から、世界各地に点在する事業拠点の販売、在庫情報をリアルタイムに吸い上げ、本社でロジスティクスの全体最適を考慮した意思決定に使いたいが、どうすれば低コスト且つ安定した仕組みが作れるかという相談を頂きました。

本件については、既に私が前職時代に連結決算システムという形で仕組みを構築していましたので、これをひな形にすれば簡単に実現可能である話をしたところ、非常に興味を持って頂き、後日プレゼンテーションをさせて頂くことになりました。

そして、一昨日その件で先方から電話があったのですが、「私だけでは不安なので、弊社のITの専門家(情報システム部門の担当者)にも同席してもらおうと思い依頼したところ、『うちは全てのシステムをSAPで固めていますので、わけのわからない他社製品を組み込むことは絶対に許されません。よって、同席はお断りします!』と言われ困っています。」と悩んでおられました。

こちらからは、「確かに、他社製品ですが、同じくSAPを使用する大手企業での長年の使用実績もありますので、その点は大丈夫ですよ」とお伝えしたのですが、結局説得することができず、次回プレゼンテーションは一旦延期となってしまいました。

実は、私も前職時代に同じ経験をしました。情報システム部門の方は既存のアーキテクチャーを根底から崩す様な外様的仕組みを極端に嫌う傾向があります。

それは、「その様な第三者的仕組みを導入して障害等が発生した場合、原因の調査に非常に苦労するし、責任の所在も不明瞭なので、わざわざそんな苦労をしたくない。確かにユーザーの利便性の低さは理解するが、我々の業務上のリスクが増えることは絶対に避けたい」という思いが先に出てしまう為、現場の真のニーズの拾い上げが後回しになってしまうなんてことは日常茶飯事です。

でも、良く考えて欲しいのですが、情報システム部門の仕事は、”(お客様である)社内営業部門の利益拡大に寄与する仕組みの提供”であるはずです。自分に与えられた仕事をそつなくこなすというか、問題を起こさないことではありません。

情報システム部門の硬直化、官僚化が言われて久しいですが、これは同部門が利益部門ではなくコスト部門になっているが故に起こる弊害であると感じています。

この解決方法については紙面の関係上、別の機会に私の取り組み事例を紹介しますが、情報システム部門のマインドセットが営業部門の足を引っ張り、現場で考えたイノベーション案にストップをかける。こんな愚かな話が実は頻繁に見受けられます。

経営者の皆様で、なぜうちのIT経営化はうまくいかないのかとお悩みの方がいらしたら、是非この観点でひずみが起きていないか確認されることをお勧めします。

間違いなく、うまくいかない最も多い理由ですので。情報システム部門の担当者の背中をポンとひと押ししてあげるだけで、結構状況が打開できるものですよ。

(了)
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プロフィール

Author:経営見える化&自動化実践会 代表 齋藤雅宏
会社を経営し、自ら実験台となってIT経営を実践している、文字通り「日本初のIT経営実践コンサルタント」です。経営活動を支えるIT機能とは何か?経営とITが融合すると何が起こるのか?を経営者として日々実践しております。自分の豊富な経験を通して、分かりやすくIT経営の真髄をお伝えします。

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