前回、CIOは「内向きのIT化と外向きのIT化」の両面から経営的判断ができる様になる必要があると申しましたが、今回はこの点についてもう少し深掘りしたいと思います。
そもそもこの考え方が浮かんだのは、2000年頃に起きた”ITバブル”がきっかけでした。
この時、”IT”は何でも叶えてくれる魔法のツールと錯覚し、猫も杓子もIT関連投資に熱狂していました。この時企業内部では何が起きていたかというと、誰も足元(経営合理化の部分)を見ず、目先の華やかな世界(IT投資フィーバーの部分)に気持ちがいってしまった為、その後の企業業績の大幅な悪化や株式市場の大暴落等により、その後5年程度の不況の波をもろに受けてしまったことは記憶に新しい処です。
一方、日本のIT業界も相変わらずで、自ら何かを発信することはなく(というより、発信できるものが無いのが現状)、定期的にアメリカ方面から発信されるビジネス関連キーワード(SIS(戦略情報システム)、ERP(SAP等の基幹システムを差す企業資源計画)、SCM(サプライチェーンマネジメント)、EA(エンタープライズアーキテクチャー)、SOA(サービス指向設計)等々)の宣伝文句に乗って、本質も見極められないまま売り込むばかりだから、顧客からは「またいつもの煽り?」と軽んじられ、いつもブームで終わってしまっている。
アメリカ方面発のキーワードは決して間違っていないと思いますが、長年行われてきたディストリビューションサイドのローカライズ&地場マーケティング手法が間違っているのです。
ですから、日本の経営者は、経営判断に必要不可欠な正しい情報を提供することが殆ど無いサプライヤーサイドの情報を鵜呑みにしてはいけないのです。彼らからの情報は単なる情報として受けており、それを自分自身の判断軸で取捨選択できるノウハウを身に付けることこそ、唯一の自己防衛手段と思います。
では、ITの素人であるCIOが、IT業界のプロ相手にどう臨めば、いいように丸めこまれないで済み、逆に彼らの情報を上手く活用して、的確な意思決定ができる様になれるのか?
それは、「内向きのIT化と外向きのIT化」という判断軸を持つことにほかなりません。
次回以降、「内向きのIT化と外向きのIT化」について、実践例を交え詳しく説明したいと思います。
(了)
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