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今回はある小売業のCIOのお話です。

彼とはむかしむかい、あるソフトウェアの販売を通じて知り合ったのですが、最近ある小売業のCIOに就任されたとか。

先日、私の知り合いがご挨拶を兼ねて訪問したのですが、そりゃもうしたり顔で「業者に現場の事が分かる訳無い」的な発言を連発していたそうです。

私が知る限り、現場での実務経験が殆ど無いと記憶しておりますので、よくもそれだけ豪語できるなと。

特に小売業のCIOが言ってはいけないのは、「商流全体を把握できなくて当然。それは業者の仕事では?」という発言です。

できる小売業のCIOは皆さん発注責任者としての立場を理解し、旗振り役が先頭に立たないでどうする的なスタンスで全体最適化を図っておられますが、そうでない方程部分最適というか、自己中心的な仕組みを作ってしまい、最終的に業績について数倍もの差をつけられてしますのです。

でもそういう方は、これほど色々対応しているのに、どうして業績(利益)が良くならないのか分からず、現場の努力不足を叱責する。そしてその担当者が業者に圧力をかける。こういう場面をこれまで何度も目にしてきました。

こういう小売業はいずれも衰退しています。

CIOとは、経営戦略に基づき、『IT技術等を活用して如何に利益を出せる仕組み(システムだけではありません。ビジネスの仕組みです!大事なのか)』を作りだせるかでその人の本当の力が分かるものだと思っています。

与えられた巨大な権限に翻弄され、現場を見ることもせず、ただイメージで(もっとひどい場合はベンダーからの入れ知恵を真に受けて)発言してしまうCIOに本当に会社の運営の一部をゆだねて良いものなのでしょうか?

私が社長なら、そんなCIOは即刻クビですね。

(了)


次に、(2)経営戦略に基づくIT経営戦略の策定業務と、(3)外向きのIT化システムと社内基幹システムとの有機的連携によるスピード経営環境構築業務について説明します。

まず、(2)
経営戦略に基づくIT経営戦略の策定ですが、これは99%の企業で全く手つかずのものだと思います。昨日の日経朝刊の第二部紙にIT経営の特集が組まれていましたが、あそこまできっちり経営戦略とIT戦略を密接に紐付け、行動指針にしているところは稀だと思います。

実際に、経営戦略をベースにIT戦略を策定・実行していくにはかなりのノウハウや経験が必要になりますので、超大企業以外導入するのが難しいと感じられるかもしれませんが、最近注目を浴びているバランススコアカード(BSC)を指針として、組織体制の構築に始まり、業務プロセスの定義、経営指標の数値化、所属員の継続的な教育等の作業を連携させることで、効率的なIT経営策定・実行が可能になります。

一方で、
バランススコアカードの適用すら無理だよという社長様の方が圧倒的多数であるのは否めません。私がこのブログの最初に掲載した「経営支援ソフト(Fortunist)」は、経営リソース(ヒト、カネ、モノ)を全て現場から上がってくる定量情報に変換し、経営者の視点で時系列で数値の推移を把握する事ができる様になる事がIT経営に向けた第一歩であることを述べましたが、将来的にバランススコアカードを適用する準備運動として、計数管理を強化する事から始めるのが良いのではと思います。

次に、(3)外向きのIT化システムと社内基幹システムとの有機的連携によるスピード経営環境の構築ですが、これは最近特に問題となっている事象です。


今回は「内向きのIT化」についてもう少し詳しく説明します。

「内向きのIT化」はあくまで情報システム部門がメインの業務になりますので、一般的に言われているIT業務はこちらを指すのでしょうが、「内向きのIT化」における情報システム部門系業務は全体の一部でしかありません。

情報システム部門系業務以外で特に重要なのが、(1)内部統制に必要な業務プロセスの作成と管理業務、(2)経営戦略に基づくIT経営戦略の策定業務、(3)外向きのIT化システムと社内基幹システムとの有機的連携によるスピード経営環境構築業務の3点になります。





「内向きのIT化と外向きのIT化」について、もう少し深掘りしていきたいと思います。

歴代のCIOから口を酸っぱくして言われたのが、「営業マインドを持て!」でした。
しかし現実は、営業部門の人間からIT部門が見下されている→IT部局の所属員は誰もが自信を持てず、常に受身的姿勢(指示待ち)を身につけてしまう。⇒経営マインド、ビジネスマインドを育てる雰囲気が醸成されない→「営業マインドのない人材ばかり」と営業に揶揄される→更に
IT部局の所属員が自信を無くす→お荷物部局になる→・・・と悪循環に陥っている所が殆どだと思います。

そこで、当時のCIO補佐役の上司が現状を打破する為の画期的なアイデアを打ち出しました。


前回、CIOは「内向きのIT化と外向きのIT化」の両面から経営的判断ができる様になる必要があると申しましたが、今回はこの点についてもう少し深掘りしたいと思います。

そもそもこの考え方が浮かんだのは、2000年頃に起きた”ITバブル”がきっかけでした。

この時、”IT”は何でも叶えてくれる魔法のツールと錯覚し、猫も杓子もIT関連投資に熱狂していました。この時企業内部では何が起きていたかというと、誰も足元(経営合理化の部分)を見ず、目先の華やかな世界(IT投資フィーバーの部分)に気持ちがいってしまった為、その後の企業業績の大幅な悪化や株式市場の大暴落等により、その後5年程度の不況の波をもろに受けてしまったことは記憶に新しい処です。

一方、日本のIT業界も相変わらずで、自ら何かを発信することはなく(というより、発信できるものが無いのが現状)、定期的にアメリカ方面から発信されるビジネス関連キーワード(SIS(戦略情報システム)、ERP(SAP等の基幹システムを差す企業資源計画)、SCM(サプライチェーンマネジメント)、EA(エンタープライズアーキテクチャー)、SOA(サービス指向設計)等々)の宣伝文句に乗って、本質も見極められないまま売り込むばかりだから、顧客からは「またいつもの煽り?」と軽んじられ、いつもブームで終わってしまっている。

アメリカ方面発のキーワードは決して間違っていないと思いますが、長年行われてきたディストリビューションサイドのローカライズ&地場マーケティング手法が間違っているのです。

ですから、日本の経営者は、経営判断に必要不可欠な正しい情報を提供することが殆ど無いサプライヤーサイドの情報を鵜呑みにしてはいけないのです。彼らからの情報は単なる情報として受けており、それを自分自身の判断軸で取捨選択できるノウハウを身に付けることこそ、唯一の自己防衛手段と思います。

では、ITの素人であるCIOが、IT業界のプロ相手にどう臨めば、いいように丸めこまれないで済み、逆に彼らの情報を上手く活用して、的確な意思決定ができる様になれるのか?

それは、
「内向きのIT化と外向きのIT化」という判断軸を持つことにほかなりません。

次回以降、
「内向きのIT化と外向きのIT化」について、実践例を交え詳しく説明したいと思います。

(了)



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